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結論:明るい時間だけならLito 1、夕方以降も撮るならLito X1

DJIは2026年4月23日、新しい入門シリーズ「Lito」を2機種同時に発売した。下位のLito 1と上位のLito X1である。同じ日に、同じ名前で、価格差はわずか¥6,930。この差額の中身を先に結論として書く。

  • DJI Lito 1(参考価格¥47,520・本体+RC-N3)が向くのは、晴天の日中に旅行やレジャーの記録を撮り、撮って出しでSNSに上げる人。センサーは1/2インチCMOS、静止画は最大48MP。前方LiDARは非搭載と各媒体が報じている
  • DJI Lito X1(参考価格¥54,450・本体)が向くのは、夕方や日陰でも撮る人、あとから編集して色を整えたい人。1/1.3インチCMOS・有効48MP、前方LiDAR搭載、D-Log M(10-bit 4:2:0)対応、伝送はO4でMIC(日本)8km
  • 差額¥6,930で変わるのは主に**センサーサイズ・前方LiDAR・D-Log M(公称)**の3点。いずれも後付けできない部分である
  • 総額で見ると印象が変わる。Fly More Combo(RC-N3)同士だと¥69,300対¥79,970で、差は¥10,670に広がる
  • 編集部の推奨はLito X1。ただし「明るい時間の撮影しかしない」と言い切れるなら、Lito 1で不足する場面は少ない

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スペック比較表

項目DJI Lito 1DJI Lito X1
参考価格(本体構成)¥47,520(本体+RC-N3)¥54,450(本体)
Fly More Combo(RC-N3)¥69,300¥79,970
その他コンボ—(公式ストアで確認できず)RC 2版¥95,700 / Combo Plus(RC 2)¥108,900 / Fly More 140W GaN充電コンボ¥104,610
発売日2026年4月23日2026年4月23日
重量249g以下約249g(プロペラガード・NDフィルタ装着時 最大約340g)
センサー1/2インチCMOS1/1.3インチCMOS・有効48MP
静止画最大48MPJPEG / DNG、12MPモード・48MPモード
動画4K/60fps、4K/100fpsスロー、2.7K縦向き4K@24/25/30/48/50/60/100fps
ログガンマ—(公式仕様表で記載を確認できず)D-Log M(10-bit 4:2:0)
最大ビットレート—(非公表)130Mbps
飛行時間36分(標準)/52分(Plusバッテリー)36分(標準)/52分(Plusバッテリー)
伝送O4(ストア表記「最大15km」/ MIC日本値は非公表)O4・MIC(日本)8km
障害物検知全方向(LiDARはX1のみ搭載と各媒体が報道)全方向単眼ビジョン+前方LiDAR+下方赤外線
ジンバル—(軸数を公式仕様表で確認できず)3軸
ストレージ内蔵42GB内蔵42GB+microSD
機体登録必要(100g以上)必要(100g以上)

※特記のない仕様はメーカー公称値です(価格はDJI公式ストア税込・変動するため執筆時点2026年8月のもの)。障害物検知のLiDAR搭載有無など「報道」と付記した項目は各媒体の報道ベースで、公式仕様表では確認できていません。

表を見て気づくのは、Lito 1側に「—」が多いことである。これは編集部が手を抜いたのではなく、DJI公式の仕様ページが整備されているLito X1に対して、Lito 1は公式ストアの製品ページが主な情報源になっており、ジンバル軸数・最大ビットレート・MIC(日本)の伝送距離・D-Log M対応可否といった項目を一次ソースで確認できないためだ。他サイトでは埋まっている欄もあるが、出所が追えない数値を表に入れるのは避けた。この情報量の差そのものが、購入前に知っておくべき事実だと考えている。

センサー:1/2インチ vs 1/1.3インチという「あとから足せない差」

この比較で最も重い違いはセンサーサイズである。Lito 1が1/2インチCMOS、Lito X1が1/1.3インチCMOS。規格上、1/1.3インチ型のほうが一回り大きい受光面を持つ。

センサーが大きいことの実利は主に2つある。ひとつは暗所。受光面が広いほど同じ露出を得るのに必要なISO感度を低く抑えやすく、ノイズが乗りにくい。もうひとつは階調で、明るい部分と暗い部分の情報を同時に残せる幅(ダイナミックレンジ)が広がりやすい。空撮は画面の上半分が明るい空、下半分が暗い地上という構図になりがちで、この階調の余裕が効きやすいジャンルだ。

注意したいのは画素数の読み方である。Lito X1は1/1.3インチで有効48MP、Lito 1は静止画が最大48MPと公表されている(Lito 1の有効画素数としての公式表記は確認できていない)。仮に同じ48MPだとすると、小さいセンサーで同じ画素数を作るぶん、1画素あたりの受光面積はLito 1のほうが小さくなる計算になる。画素数が同じでも画質が同じにはならない、というのはカメラ全般に共通する話で、ここでも当てはまる。

もっとも、真昼の屋外で光が十分にある条件なら、1/2インチでも破綻はしにくい。Lito 1が向くのは「明るい時間の記録」という言い方になるのは、この前提があるからだ。

もう一段大きい1インチセンサーが欲しくなった場合は、同じ249g級のMini 5 Proが選択肢に入る。価格差の考え方はDJI Mini 5 Pro と Lito X1 の比較記事にまとめている。

前方LiDARの有無:暗い帰投で効く保険

Lito X1の障害物検知は、DJI公式仕様で「全方向単眼ビジョン+前方LiDAR+下方赤外線」と公表されている。一方Lito 1については、全方向の障害物検知は備えるもののLiDARはX1のみの搭載であると各媒体が報じている。

ビジョン方式の障害物検知は、カメラが捉えた映像から距離を推定する。したがって被写体が暗い、コントラストが低い、逆光で潰れている、といった条件では検知が苦手になりやすい。LiDARはレーザーを照射して反射までの時間で距離を測るため、明るさへの依存が小さい。夕暮れどきに帰投させる、木立の際を通す、といった場面で差が出るのはこのためだ。

ただし誤解しないでほしいのは、LiDARがあれば安全というものではない点である。障害物検知はあくまで補助機能であり、細い電線やネットのように検知が難しい対象は依然として存在する。目視で機体を見ながら飛ばすという大原則は、どちらの機体でも変わらない。

色と階調:D-Log Mが公称されているのは Lito X1 側

Lito X1はD-Log M(10-bit 4:2:0)対応を公称している。Lito 1側は公式仕様表でD-Log Mの記載を確認できず、対応可否は不明だ。

D-Log Mはコントラストを寝かせた状態で記録し、あとから編集ソフトで色と明るさを作り込むための撮影モードである。10-bitは色の階調の細かさを示す規格で、空のグラデーションが帯状に段付きするのを抑えやすい。撮って出しでそのまま公開するなら出番はないが、複数のカットを並べて色味を揃えたい、日没の空の色を狙いどおりに出したい、といった段階に進むと必要になる。

裏を返せば、編集する気がないならこの差は価値にならない。D-Log Mで撮った素材は編集前提の眠い絵なので、そのままSNSに上げると「なんだか薄い映像」で終わる。ここは自分の運用を正直に見積もったほうがいい。

なお動画のフレームレートは、Lito X1が4K@24/25/30/48/50/60/100fps、Lito 1が4K/60fpsに加えて4K/100fpsのスローと2.7Kの縦向き記録に対応する。スローモーションと縦動画という、SNS向けに使う頻度の高い機能はLito 1にも入っている。この点でLito 1は「安いから機能が削られている」という単純な構図ではない。

伝送距離:Lito 1の「15km」は日本の数字ではない可能性が高い

Lito X1はO4伝送でMIC(日本)8kmと公称されている。一方Lito 1はDJI公式ストアに「最大15km」の表記があるが、これはFCC(米国)基準の値と推定され、日本のMIC基準での公称値は確認できていない。

日本国内では電波法の下でFCC基準より短い値が公称されるのが通例だ。実際、DJI Mini 5 ProはFCC 20kmに対しMIC(日本)10kmと公表されている。同じ傾向がLitoシリーズにも当てはまるなら、Lito 1の日本での実効的な伝送距離は15kmという数字より短くなると考えるのが自然である。ただしこれは推定であり、断定できる根拠はない。

そもそも日本では目視外飛行が承認の必要な「特定飛行」にあたるため、数kmの伝送距離をそのまま飛行可能距離として使えるわけではない。カタログの伝送距離は、市街地のようにノイズが多い環境でどれだけ電波に余裕があるかの目安として読むのが実用的な受け止め方になる。

記録先:microSDが使えるかどうかは意外に効く

内蔵ストレージはどちらも42GB。ただしLito X1は内蔵42GBに加えてmicroSDに対応すると公称されており、Lito 1については内蔵42GBの記載のみでmicroSD対応可否を一次ソースで確認できていない。

42GBという容量は、4Kで撮り始めると思ったより早く消える。Lito X1側は最大ビットレート130Mbpsが公称されているので、高ビットレートで長回しすれば1日で埋まることは十分にあり得る。旅行先で毎晩PCに吸い出す運用ができるなら内蔵だけでも回るが、カードを差し替えるだけで撮り続けられるかどうかは、現地での安心感がかなり違う。

参考までに、DJIの現行機には内蔵49GBでmicroSD非対応というNeo 2のような設計も存在する。記録先の考え方はDJI Neo 2 と Flip の比較記事で詳しく整理しているので、ストレージ運用が気になる人はあわせて読んでほしい。

飛行時間と重量:ここは互角、ただし249gの読み方に注意

飛行時間はどちらも標準バッテリーで36分、Plusバッテリーで52分と公称されている。ここは差がない。1本のバッテリーで撮れる量が同じなら、予備バッテリーの本数計画も同じ考え方でよい。

重量はLito 1が249g以下、Lito X1が約249g。ただしLito X1にはプロペラガードとNDフィルタを装着すると最大約340gになるという公称値がある。プロペラガードは人の近くや屋内で飛ばすときに付けたくなる装備なので、「249gの機体」という認識のまま運用すると実重量と食い違う。

そしてここが最も誤解されている点だが、249gだから登録が要らない、という理解は完全に誤りである。次のセクションで詳しく書く。

買う前に必ず知っておきたい日本の飛行ルール

ドローンを買う前に、日本の制度を正確に押さえておきたい。ここを外すと機体代より高くつく。

100g以上は「無人航空機」で機体登録が義務

機体本体とバッテリーの合計重量が100g以上のドローンは、航空法上の「無人航空機」に該当する。2022年6月20日から機体登録が義務化されており、未登録機は飛行させられない。

必要なのは次の3点セットである。

  1. 登録申請(国土交通省のドローン登録システム)
  2. 機体への登録記号の表示
  3. リモートID機能による識別情報の発信

手数料はマイナンバーカードまたはgBizIDで本人確認する場合が1台900円、それ以外の方法では1,450円。無登録のまま飛行させた場合の罰則は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金である。

リモートIDの搭載が免除されるのは、①2022年6月19日までの事前登録期間に登録した機体、②補助者を配置し飛行空域の範囲を明示する場合、③十分な強度の紐等による係留飛行、の3ケースのみ。新規購入機は基本的に対象外だと考えてよい。

「200g未満なら規制対象外」は廃止された旧基準

ネット上には**「200g未満のドローンは規制対象外」と書かれた記事がいまだに大量に残っている。これは2022年6月19日以前の旧基準であり、すでに廃止されている**。現行の基準は100g以上だ。

そしてLito 1もLito X1も249g前後である。249gという数字は100gをはるかに超えているので、当然ながら登録・登録記号表示・リモートID発信の対象になる。「249g未満だから手続き不要」という理解は、旧基準の記憶と混ざった二重の誤りである。

補足すると、DJIが日本で販売しているドローンは全機種100g以上だ。最軽量のNeo初代(約135g)やNeo 2(151g)であっても登録対象で、登録不要の100g未満機は1機種も存在しない。

特定飛行は許可・承認が必要

登録を済ませても、どこでも自由に飛ばせるわけではない。以下は「特定飛行」に該当し、国土交通大臣の許可または承認が必要になる。

許可が必要な空域

  • 空港等の周辺
  • 緊急用務空域
  • 地表または水面から150m以上の高さ
  • 人口集中地区(DID)の上空

承認が必要な飛行方法

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 人または物件から30m未満の距離
  • 催し場所の上空
  • 危険物の輸送
  • 物件の投下

都市部の住宅地は人口集中地区に該当することが多い。自宅の庭で飛ばすつもりなら、まず自宅がDIDに含まれるかを地図で確認するところから始めたい。

2026年7月14日施行の改正小型無人機等飛行禁止法

もうひとつ押さえておきたいのが、航空法とは別の小型無人機等飛行禁止法である。この法律には重量の下限がない。100g未満の機体でも対象になる。

2026年7月14日に改正法(令和8年法律第47号)が施行され、規制範囲が大幅に拡大した。

  • レッドゾーン(対象施設の敷地・区域上空): 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
  • イエローゾーン(周囲おおむね1,000m。改正前はおおむね300m): 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金

対象施設は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居、危機管理行政機関、外国公館、防衛関係施設(自衛隊・在日米軍)、指定空港、原子力事業所など。イエローゾーンがおおむね300mからおおむね1,000mへ広がったインパクトは大きく、改正前の感覚で飛行場所を選ぶと知らずに抵触しかねない。

なお、施設管理者の同意等による例外が認められる場合でも、事前に都道府県公安委員会等への通報が必要である。

このほか、100g未満・以上を問わず、各自治体の条例(都立公園などは飛行禁止のことが多い)、民法上の土地所有権、電波法(技適)、個人情報保護、道路交通法などが関わる。「軽ければ何をしてもいい」という領域は日本には存在しないと考えておくのが安全だ。

米国のFCC規制について

米FCCがDJIをCovered Listに追加した件(2025年12月23日)が話題になったが、これは米国内の規制であり、日本市場には波及していない。実際、規制後も日本ではAvata 360(2026年4月9日)、Osmo Pocket 4(4月22日)、本稿のLitoシリーズ(4月23日)、Osmo Mobile 8P(5月7日)、Osmo Pocket 4P(6月29日)と新製品が連続投入されている。「日本でも買えなくなるから今すぐ」という煽りは事実に基づいていない。

DJI Lito 1 がおすすめな人

  • 撮影が晴天の日中に限られる人。1/2インチCMOSでも光が十分な条件なら破綻しにくい
  • 撮って出しでSNSに上げるのがゴールの人。D-Log Mが不要なら、その差は価値になりにくい(Lito 1の対応可否は未確認)
  • 4K/100fpsのスローと2.7K縦向き記録が使えれば足りる人。SNSで使用頻度の高い機能は下位機にも入っている
  • 初期費用をできるだけ抑えたい人。本体+RC-N3で¥47,520、Fly More Combo(RC-N3)でも¥69,300
  • 飛行時間で妥協したくない人。36分/52分(Plus)はLito X1と同じ
  • 逆に、夕方以降も撮る予定がある人、あとから色を作り込みたい人には向かない。microSD運用を確実にしたい場合もLito X1が安全(Lito 1は対応可否が未確認)

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DJI Lito X1 がおすすめな人

  • 夕方・日陰・曇天でも撮る人。1/1.3インチCMOS・有効48MPは受光面が広いぶん、この条件では有利になりやすい
  • あとから編集して色を整えたい人。D-Log M(10-bit 4:2:0)と最大130Mbpsは編集時の余裕につながりやすい(Lito 1の最大ビットレートは非公表のため直接比較はできない)
  • DNG(RAW)で静止画を残したい人。Lito X1はJPEG / DNG対応、12MPモードと48MPモードを選べる
  • 暗い時間帯の帰投に保険が欲しい人。前方LiDARは明るさへの依存が小さい
  • microSDでの記録運用を前提にする人。内蔵42GBだけで旅行を回すのは心もとない
  • 日本での伝送距離を数字で確認しておきたい人。O4・MIC(日本)8kmと公称されている
  • RC 2(モニター一体型送信機)構成やCombo Plusを選びたい人。上位コンボが用意されているのはLito X1側

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まとめ

  • 本体構成の差は¥6,930(Lito 1 ¥47,520 / Lito X1 ¥54,450)。ただしFly More Combo(RC-N3)同士では¥10,670差(¥69,300 / ¥79,970)に広がる
  • ¥6,930で変わるのはセンサーサイズ(1/2インチ→1/1.3インチ)、前方LiDAR、D-Log M(10-bit 4:2:0)の公称。どれも後付けできない
  • 飛行時間は36分/52分(Plus)で互角。ここで悩む必要はない
  • Lito 1は公式の情報量が少ない。ジンバル軸数、最大ビットレート、MIC(日本)伝送距離、D-Log M対応可否は一次ソースで確認できていない。ストア表記の「最大15km」はFCC値と推定される
  • 249gでも機体登録・登録記号表示・リモートIDは必須。100g以上が現行基準で、「200g未満は対象外」は2022年6月19日以前の廃止済み旧基準である
  • 2026年7月14日施行の改正小型無人機等飛行禁止法でイエローゾーンがおおむね1,000mに拡大。飛行場所の選び方は改正前の感覚では通用しない

価格差が小さいという一点で、編集部はLito X1を推す。¥6,930はバッテリー1本より安く、それでセンサーが一回り大きくなり、LiDARとD-Log Mが付く。一方で「明るい時間しか撮らない」と自分で断言できるなら、Lito 1で困る場面は多くない。判断の分かれ目は価格ではなく、自分が夕方の空を撮りたくなるかどうかである。

出典


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